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Special Interview

スペシャルインタビュー

友澤 健⼀
K E N I C H I
T O M O Z A W A
商品開発部 部⻑
2000年⼊社

「⾃社の強みを知る」

商品開発部について、発⾜から今までの経緯や取り組みについて教えてください。

商品開発部は、2019年に発⾜した組織ですので、今年で4年⽬になります。私は以前、プラント事業部やサーモシステム事業部にいて、主に燃焼器や燃焼装置の設計をやっていました。開発に携わることが多かったので、「新技術・新商品を開発する部⾨を」というお声掛けに対して、私は⼆つ返事で「はい」と引き受けました。その時に⾔われたのが、「2030年までに当社事業の柱の1つとなるような新事業を起ち上げたい」、「鉄鋼や⾃動⾞という分野も様々な変化をしていく中で、新たな事業で売上100億円を⽬指して欲しい」と、いきなりの⼤命題だったのです。
まず取り組んだのは、⾃分⾃⾝が社内の特定の部⾨しか知らないということもあり、全社の技術を棚卸しして、当社は⼀体何が売りなのか、何が強みなのか、反対に何が弱いのか、を整理して再認識する作業を発⾜当初のスタッフ5⼈で始めました。それが今、中外炉⼯業を⽀える3つの基盤技術、「ThermalTechnology」 「Total Engineering」 「Advanced Technology」の3つですね。経営理念にもあるサーマルテクノロジーは、⽔素やアンモニアに代表される⾮化⽯エネルギーの利⽤技術、この分野で他社に先駆けて取り組んだ技術です。トータルエンジニアリングは、当社はお客様の要望をもとにソリューションの全体計画を⽴てられるエンジニアリング会社であることが強みです。アドバンスドテクノロジーは、有機ELや半導体のウェハーなどに薄膜を精密にコーティングするなど、時代の先端を⾏く独⾃技術です。これらの基盤技術を中⼼とした14個のコア技術をまとめ上げました。

インタビューの最後にコア技術マップを掲載しています。

2つ⽬には、他部署のことをもっと知ろうと、全部署に横串を通すような情報交換会議をスタートさせました。プラント、熱処理、サーモシステム(燃焼器)、コンバーテック、商品開発の各部⾨と、グループ会社の中外エンジニアリングでは、商品は違っても最終的にはターゲットとなるお客様やニーズが重なるケースもあります。
例えば⾼機能材料⽤の熱処理設備、今開発注⼒分野の⼀つですが、サーモシステム事業部には⽕炎内処理設備があり、熱処理事業部には電池素材関係の粉体⾼温熱処理設備、また商品開発部には中外エンジニアリングと⽤途開発中のロータリーキルンも、粉体を加熱するという⽬的は同じです。各部⾨が保有する情報に横串を通して集約し、⾒える化、多⾯的な切り⼝で攻められるように、と始めたのが情報交換会議なのです。
3つ⽬としてはマーケティングですね。マーケティングと新商品の開発を連動させることに重点を置いた活動をやっています。具体的には、外部コンサルティングなども活⽤した市場分析、お客様への直接的なヒアリングからニーズを掘り起こし、得られたアイデアを市場拡⼤性や当社の技術親和性、参⼊障壁、競合他社の動向などあらゆる⽅⾯から評価し、開発テーマとして社内上申します。そのテーマについて技術課題や市場予測などの仮説を⽴て、実際に検証してくのが開発であり、その繰り返しが⼤切です。⽴てた仮説が違う⽅向に向かったり、技術的な課題が克服できなかったりすることもある中で、成功の確率を少しでも上げていくために、開発をリードしていくことが我々の使命だと思い、⽇々取り組んでいます。

「なぜ脱炭素に取り組むのか」

⼯業炉メーカーである中外炉⼯業が、なぜ脱炭素に取り組み、
どのような脱炭素技術で地球に貢献していくのかを教えてください。

当社の経営理念は、「熱技術を核として新しい価値を創造し、これを通じて社会に貢献するとともに企業の繁栄と社員の幸福を実現する。」です。この熱技術(サーマルテクノロジー)が当社事業のもっとも基盤になるところです。この熱技術の中でもコアとなる技術をベースに、既存事業も新規事業も幅広く展開をして成⻑していくことが基本⽅針です。世界中で⼆酸化炭素の削減や気候変動への対応など、今年エジプトで開催されたCOP27でも最注⽬のトピックスになっていますが、⽇本でも政府主導のもと2030年で46%、2050年でカーボンニュートラルを達成する、という⽬標がたてられています。
それに対して当社は、「脱炭素のトップランナー」を⽬指したい、と考えています。熱技術をいかにカーボンニュートラルにつなげるのか、熱を使う、燃焼させるということは、CO2排出の根源と思われていますが、その既成概念を切り崩していくような技術を当社が作っていくのです。

⽔素やアンモニアバーナに代表される⾮化⽯エネルギーの利⽤技術は、燃焼というコア技術を持つ当社の⼤きな強みですが、電熱を使った技術や燃焼から電熱へのシフトに対応する新しい技術開発も重要です。更には、その⽔素燃焼・アンモニア燃焼・電熱化という脱炭素貢献技術開発の⼤きな3つの軸と、従来から当社が⻑きに渡り開発し、取り扱ってきた省エネルギー技術を組み合わせることが今後の脱炭素社会に必要とされる新技術であると思っています。その開発には競合他社を凌駕する技術や性能を獲得することも重要ですが、もう⼀つ重要なことは開発のスピードですね。どこよりも先に新しいカーボンニュートラルの技術を確⽴することが当社の使命であると私は考えています。
燃焼式⼯業炉から排出されるCO2は、⽇本全体のCO2総排出量の約7%あると⾔われています。当社は、お客様の設備やプロセスから排出されるCO2の「削減貢献」を確実に⾏っていきます。

「営業、設計、開発…チームで取組む」

友澤さんは2000年に中外炉⼯業に新卒で⼊社されていますが、きっかけを教えてください。
また⼊社されてから現在に⾄るまでの中外炉⼈⽣も聞かせてください。

私は⼤学時代に化学を専攻していて、その中でも環境化学を学んでいて、環境保全や改善に携われる仕事をしたいと思っていました。そんな時に同じ⼤学、学科の先輩がいるということを教えてもらってOB訪問をしました。その先輩に⼤学時代の研究内容や学習したことがどのくらい⽣かせそうかと聞いたところ、⼤学の時に勉強したことも⾮常に⼤事だけども、会社へ⼊ってから学ぶことはとても多い、ということでした。もちろん化学反応式など化学に関する知識は燃焼技術でも必要となり、それ以外も役に⽴つ学術的な知識は少なくないですが、要するに⼊社してからの「経験知の蓄積」ということが⾮常に重要になる、というお話をいただきました。
⼊社後、最初に配属になったがサーモシステム事業部の営業部だったのですが、技術で⼊ったのにどうして営業?とも思いました。ただ営業部と⾔っても、お客さまへ技術の紹介や提案を⾏い、注⽂をいただいた後もそのまま継続して設計を⾏ういわゆる「営業技術」の部署でした。私はその部⾨で開発と営業と技術を⼀通り全部経験することができ、⾃分にとってはとても良い経験であったと感じています。その後も、技術部や他部⾨への配転もありましがた、⼀⼈ではなくチームを組んで仕事をすることが多く、業務を通じて電気設計、機械設計、営業、調達など、業種や部⾨を越えたやり取りがあり、先輩からサポートしてもらったり、後輩が⼿伝ってくれたりと、⼀⼈だったらできないことも実現できたと思います。今はその幅をさらに広げて、全社に横串を通して横断的な取り組みがしやすい会社にしたい、という発想に繋がっているのだと思います。

「解決するカ、耐カ、そしてお客様からの感謝」

そのお話の続きにもなるのですが、⼊社後20数年間で⼀番印象に残っている苦労した案件や、
印象的な出来事などを教えてください。

苦労したことでは、ある⼤きな案件でプロジェクトマネジャー兼設計者という形で担当した時のことです。⾮常にタイトな⼯程の中で、ちょっとしたミスが重なり、判断の遅れが⽣じ、それによってスケジュールが少しずつ遅れていくという苦しい状況でした。お客様にも納期でご迷惑をかけ、また、技術、営業、調達すべてのメンバーにもたくさんのサポートをお願いし、協⼒してもらいながら、何とかお客様に納得いただく設備に仕上げることができました。最終的にお客様から「よく頑張ってくれた」とお声がけいただいた時の安堵感と感激は忘れられません。苦労して乗り越えた案件は⾃分の中でも鮮明に記憶に残っていますが、こういう経験は、「耐⼒」や「最後までやりきる⼒」、「みんなと協⼒する⼒」が鍛えられたと思っています。
楽しい⾯での思い出としては、海外プロジェクトもたくさん経験できたことです。中国や韓国、台湾、トルコなど、様々な国で仕事をさせてもらえました。⽂化の違い、慣習の違いによる意思疎通の難しさなど苦労はありましたが、国を越えた⼈との出会いや、多様な考え⽅を学ぶ機会など⾮常に良い経験もたくさん出来たと思っています。

「『共創』で開発を加速」

2023年秋、堺事業所に新設される「熱技術創造センター」について教えてください。

熱技術創造センター建設の主となる⽬的は、カーボンニュートラルに貢献する技術開発を強化するということです。開発強化に於いては早期に開発した商品を世の中に実装していく開発スピードが重要であり、「最新鋭の設備」を新設、購⼊し揃え、点在していた研究所を再編、集約し、開発を加速する、というのが狙いの⼀つでもあります。
また重要な観点、キーワードは、「共創」です。お客様と⼀緒に新しい技術を作り上げる共同開発や、同業他社や当社のカテゴリーに無い優れた技術を持っている会社とタッグを組み開発領域を拡げ開発スピードを加速していけるような研究所にしたいです。
研究所内に「共創スペース」を設け、当社の製品群や当社の歴史などの紹介を通じて、当社事業への理解を深めていただき、さらには当社の開発状況を紹介する「⾒せる」研究所を⽬指します。また、最新鋭の映像、⾳響システムを配備した⼤スクリーンを備えたセミナールームを作るなど、⼈が集まり、そこでさまざまな情報交換やディスカッション、異分野交流を図ることができる研究所、すなわち「集う」研究所を⽬指します。例えば外部から講師を招いて技術講演会を開催したり、学会の分科会を開催したり、社内の研修や開発発表会など、そういう社内外の接点が積極的に構築できることによる共創に繋げます。

そしてもう1つは「学ぶ」研究所です。当社も三年後には創⽴80周年を迎え、先⼈たちが培ってきた技術を基盤として我々は新しい技術を開発しているので、その基盤技術を学ぶことができる施設でありたい。この三つの観点で進めていきたいということですね。
これから⼊社してくる⼈たちは、あらゆる⾯で変化の⼤きな激動の時代を乗り越えていかなければなりません。会社がどのようなテーマに注⼒しているか、開発に注⼒できる環境が整っているか、という点も就職志望先を決めるにあたり⾮常に重要なファクターになると考えていますので、インターンなどの就職活動や⾒学などにも利⽤できる施設にもしていきます。

「投資と成⻑を持続し、花を咲かせる」

今後の中外炉⼯業の⽬指すところ、また友澤さん⾃⾝の展望や夢を聞かせてください。

私は現在、⾊々な開発業務を進める中で、次の新しいテーマを⾒つけ、それをみんなで⼀緒に当社事業の柱の1つとなるような新事業に育て上げていく、ということに携われています。もちろんカーボンニュートラル貢献技術開発に加えて、今注⼒しているのはゼロエミッションや資源循環、最先端の⾼機能材料に特化した熱技術、この三つの開発重点領域は、中⻑期的に当社事業ポートフォリオの中で拡⼤されていくもので、今はいわゆる投資の時期です。投資があり成⻑があり、それはずっと繰り返し、続けていくべきものです。この繰り返しのステップの中で、2030年新事業の売上100億円という⽬標に対して、さまざまな分野でいま開発実証で苦労していることが、5年後、10年後に花開き、これはあの時に商品開発部が基礎作りをやってくれた、と⾔ってもらえるのが私の夢でもあります。

「自燃出来る⼈に」

最後に、就職活動に取り組んでいる学⽣の皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

私が就職活動したのは20年以上前ですので、当時とは就職活動のやり⽅も違うかもしれないのですが、会社に⼊る前も⼊ってからも、⼀貫して⼤切なのは、「熱意」だと思うのです。
私は燃焼のフィールドでやってきたので、⼈を燃焼に例えて⾔いますと、⼀つは「⾃燃型⼈間」、⾃分で熱くなって燃え上がるタイプ、⾃分で何か⾒つけてきて、これをやってやろうというタイプです。⼀般的には全体の1割くらいだと⾔われています。
次が、「可燃型⼈間」、燃やすことができるというタイプの⼈達です。⾃燃型の⼈たちから説明を受けて、それは⾯⽩いな、⼀緒にやってみようかなと乗っかれるタイプです。全体の8割ぐらいがそういう⼈だと思います。
もう⼀つのタイプは、「不燃型⼈間」ですね。全体の1割ぐらいはそういうタイプの⼈もいるようですが、不燃なので燃えないですね。ちょっと引いているタイプで、なんか乗っかれない、ときに批判をする、もしくは黙ってみているタイプです。
以上の3つのタイプの⼈達が、1:8:1ぐらいの割合でいるのですが、できるならば⾃燃型がいいですね。それは、性格という問題ではなくて、その⼈のやる気、熱意ということです。

これから会社を選んでいこうという場合、いろいろな会社の⼈から、こんな良いことありますよ、こういう技術をやっていますよと説明を受けた時に、⾃分はどういうアクションが起こせるのか、ということを考えてみて欲しいのです。
⼊社後のやりがいであったり、情熱であったり、そういう熱意が持てるような仕事をできることは、その⼈の⼈⽣としても⼀番嬉しく幸せなことだと思います。もちろん⼈⽣はずっと順⾵満帆なことはなく、⼭あり⾕ありなのですが、何か感じるところがあれば、いろいろと話を聞いて、興味を持ったら、⾃分で調べることが重要だと思います。
⾯接や就職活動の中で、最初に考えていたことと変わっても良いのです、ぜひ柔軟な頭と情熱を持って就職活動を⾏ってください。せっかく会社選びをするのですから、当社も含めてさまざまな選択肢を探して、チャンスの幅を広げる意味でも多くの会社を⾒てください。
当社の2030年、2050年というマイルストーンに向けて、⼀緒に情熱を持って、⼀緒に頑張れる⼈たちに、たくさん出会えたら良いなと思っています。

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