水素×酸素燃焼式 過熱水蒸気技術

水素と酸素を燃焼させることにより発生する高温過熱水蒸気を加熱源として利用した、CO₂排出ゼロの新しい加熱技術。
過熱水蒸気とは
100℃で蒸発した飽和蒸気を、さらに高温加熱した無色透明の過熱水蒸気ガスです。
装置概要
- 1. 水素×酸素の燃焼で過熱水蒸気を発生(ヒータ加熱は不要)
- 2. 1,700℃の過熱水蒸気生成を実現
- 3. CO₂ゼロの炎が産業を進化させる
装置特長とメリット
- 1. 低温200℃~超高温1,700℃の処理が可能
・電気加熱の過熱水蒸気発生装置では到達できない超高温での処理を実現。 - 2. 高い熱伝達特性により短時間で均一に加熱
・低温域では過熱水蒸気が水に変わるときの凝縮潜熱により材料加熱を早め、高温域では水蒸気の高い放射伝熱により加熱が可能。 - 3. 800℃以上で水蒸気による炭素のガス化反応
・800℃以上の過熱水蒸気雰囲気で処理材から発生する炭素は水性ガス化反応(※)により、酸化雰囲気においても有機溶剤や樹脂等を自燃させずに分解可能。
( ※水性ガス化反応:800~1000℃付近で炭素と水蒸気が反応し、一酸化炭素と水素に分解される化学反応 ) - 4. 酸化雰囲気/無酸化雰囲気どちらの雰囲気でも加熱が可能
・水素:酸素の燃焼比率を調整することで、炉内を酸化/無酸化どちらの雰囲気にも調整可能。
主な用途例
処理材に応じて様々なメリットがあります。
有効活用例
・車載用廃リチウムイオンバッテリーの熱処理
電解液の有機溶剤及びセパレータ樹脂は高温域で酸素と反応し熱暴走する危険がありますが、過熱水蒸気の水性ガス化反応を利用して、電解液の有機溶剤及びセパレータ樹脂などを酸素と反応させることなく安全に熱分解することが可能です。
装置を保有し、設備導入に向けたテストに対応しています
試験装置
- 水素バーナ、燃焼室、加熱室から構成
- 水素バーナによる燃焼で発生した過熱水蒸気により、加熱室内の処理材を加熱
- バーナ中心部より水を噴霧することで、炉内温度、過熱水蒸気発生量の調整が可能
- 水素:酸素の燃焼比率を調整することで、炉内を酸化/無酸化どちらにでも変化させることが可能
水素×酸素燃焼の火炎の様子
水素燃焼による排ガスに加え、噴霧水を導入することで過熱水蒸気量の調整が可能です。